Word 2016 の使い方 応用編

最終更新  2024.3.30


◆◆ スタイルとは ◆◆

全ての段落に「スタイル」が設定されている。

「ホーム」→「スタイル」の右下の ▲ を押すとスタイルの
ウィンドウが開く

Word の左右の枠にドラッグするとドッキングする

「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」で
「編集オプション:書式の履歴を維持する」のチェックを外す。
表示されるスタイルの個数が少なくなり見やすくなる。

スタイルウィンドウ右下の「オプション」を押すと、
表示するスタイルの種類を設定することができる。

この授業の課題を解くときは、
「表示するスタイル」は「作業中の文書に含まれるスタイル」、
「スタイルとして表示する書式の選択」のチェックは全て外して
おくと作業しやすい。

目的のスタイルが表示されないときは、
「表示するスタイル」を「すべてのスタイル」に設定する。

スタイルの種類はいくつかあるが、
「文字スタイル」「段落スタイル」「リストスタイル」以外は
知らなくてもよい。

文字スタイル(右端に「a」マーク):
  「ホーム」→「フォント」で指定する項目を指定する

段落スタイル(右端に「↓」マーク):
  「ホーム」→「フォント」と「ホーム」→「段落」で
  指定する項目を指定する

リンクスタイル(右端に「↓a」マーク):
  「文字スタイル」と「段落スタイル」の両方の機能を持つ。

リストスタイル(スタイルウィンドウには表示されない):
  箇条書きと段落番号に使用する

新規にスタイルを作成したいときは、スタイルウィンドウ左下隅の
「新しいスタイル」
「基準にするスタイル」は絶対に「標準」にする。

基準にするスタイルのデフォルト値は
「そのときカーソルがある段落」となるので、
スタイルを新規作成するときは、カーソルを「標準」に置く。

「標準」「見出し1」などのスタイルはデフォルトで存在する
スタイルであり、削除はできない。

「段落スタイルの名前」をクリックすると、カーソルが存在する
段落にそのスタイルが適用される。

範囲を指定した状態で「文字スタイルの名前」をクリックすると、
その範囲に文字スタイルが適用される。

何も選択せずに「すべてクリア」をクリックすると、
カーソルがある段落のスタイルが「標準」に設定される。
個々の文字に設定した文字色、太字などはそのまま。

段落全体を選択した状態で「すべてクリア」をクリックすると、
全ての設定がクリアされ、スタイルは「標準」に設定される。

スタイルウィンドウの左下から二番目の「スタイルの詳細情報」
→「書式の詳細設定」で選択されているスタイルの情報が表示
される。スタイルの内容を把握したいときに便利。

長さに関する設定が「○行」ではなく、「○mm」あるいは「○pt」
になっているとき、0 と設定して一旦設定ウィンドウを閉じて、
再度開くと「○行」という表示になる。

◆ スタイルの便利な機能

段落の設定項目に「同じスタイルの場合は段落間にスペースを追加しない」
がある。段落前・段落後の間隔を指定しても、同じスタイルが連続する場合は
無効となる。

「箇条書き」や「引用を表すインデント」などに用いる。

◆ スタイル関連のバグ(Word2013 使用時。Word2016 は未確認)

現象:
  新規に作成したスタイルを、段落に適用すると、
  (スタイルで Century に設定しているにもかかわらず)
  英数字が MS 明朝になる。

対処法:
  ファイルをセーブして一旦閉じて、もう一度開くと直る

(補足)
スタイルを新規作成するときに基準にするスタイルを
「スタイルなし」にすると、「標準」とは以下の点が異なる。

・左寄せになる
・「段落」→「改ページと改行」の「改ページ時 1 行残して段落を区切らない」
 にチェックが入る。この意味は以下の通り。
 ページの 1 行目のどこかに改行が入るような段落を作らない。2 行目以降に改行が
 入るように、前ページの最終行を空ける。

◆◆ 箇条書きと段落番号 ◆◆

Word には「段落スタイル」と「文字スタイル」以外に「リストスタイル」
がある。箇条書きと段落番号は

  段落スタイル + リストスタイル

の重ね合わせで対応する。
段落スタイルの「変更」→「書式」→「箇条書きと段落番号」で、
うまくいくのは「深さ 1 の箇条書き」のみである。

それ以外は以下の問題がある。

 ・箇条書きにおいてはレベル 2 以上の深さの設定ができない
 ・段落番号においては番号の付け直しをしたときに、左インデントやぶら下げの
  設定が変な値に設定されてしまう(Word のバグと思われる)
  
2 つのスタイルの関係/役割は以下の通り

 ・設定値が異なるとき、リストスタイルの設定が優先する
 ・段落スタイルを変更すると、リストスタイルは消去される

以下のように役割分担させる。

段落スタイル :段落前○行 段落後○行の設定
        フォントの設定

リストスタイル:左インデント  ぶら下げインデント
        番号の書式(1. 2. 3./(a) (b) (c)/など)

<リストスタイルの操作法>

・新規作成

「ホーム」→「段落:アウトライン」→「新しいリストスタイルの定義」あるいは
 通常のスタイルの新規作成時に「種類」として「リスト」を選ぶ

箇条書き/段落番号 の選択
 デフォルトは 1. 2. 3. と番号が付く段落番号になっている。
 箇条書きにしたいときは「書式の適用」の 2 行下のメニューで選ぶ。

より詳細なフォーマットの設定法(ex. 問1  のような段落番号をつける)
 「書式」→「箇条書きと段落番号」
 インデントなどの詳細な設定を行う

 箇条書きのマークに設定するには「このレベルに使用する番号の種類」の
 一番下の方を選択することでも可能。ただし、大変見つけにくい。

・適用
 「ホーム」→「段落:アウトライン」→「リストのスタイル」から選択

・変更
 「ホーム」→「段落:アウトライン」→「リストのスタイル」のいずれかの上に
 カーソルがある状態で右クリック →「変更」→「書式」→「箇条書きと段落番号」

リストスタイルの設定においては「○字」という設定ができず、
「○ mm」という設定しかできない。「○字」と打つと、微妙にずれた
値に設定される。

字送りが 10.5 pt の場合、1 文字の横幅は 25.4÷72×10.5 = 3.704 ≒ 3.7 mm 
である。たとえば、

  番号の位置  2 字
  項目の先頭  4 字(ぶら下げ 2 字)

のとき、以下の値を設定する

  左インデントからの距離 = 3.7 × 2 = 7.4 mm
  インデント位置     = 3.7 × 4 = 14.8 mm

◆◆ スタイルの文書間のコピー ◆◆

スタイルウィンドウの下端の左から 3 番目のアイコン「スタイルの管理」
→「インポート/エクスポート」

◆◆ 凝った文字配置など ◆◆

◆ ルビ

ルビを振りたい文字列を選択した状態で
「ホーム」→「フォント:ルビ」

◆ 四角で文字を囲う

「ホーム」→「フォント:囲み線」

◆ ○や□や△で文字を囲う

「ホーム」→「フォント:囲い文字」

◆ 横書きの中に「縦書き」で文字を組む  あるいはその逆

「ホーム」→「段落:拡張書式▼」→「縦中横」

◆ 均等割り付け

均等割り付けしたい文字列を選択した状態で
「ホーム」→「段落:拡張書式▼」→「文字の均等割り付け」
で割り付け後の文字幅を指定する。

◆◆ ページ番号 ◆◆

「挿入」→「ヘッダーフッター:ページ番号」

「ページの下部」→「番号のみ 2」の使用頻度が高いと思われる。
Word のバグと思われるが、ページ番号の後ろに 2 個改行が入っている。
1 個は不要なので削除する(番号の直後にカーソルを持って行き 
del キーを押す)。

ページ番号のフォントやサイズなどを変更したいときは
「挿入」→「ヘッダーフッター:フッター」→「フッターの編集」

◆◆ 罫線 ◆◆

「挿入」→「表」では「表の各要素を囲む罫線」を設定した。
これ以外に Word には「文字を囲む罫線」と「段落を囲む罫線」がある。

文字を囲む罫線
  「ホーム」→「フォント:囲み線」

段落を囲む罫線
  「ホーム」→「段落:下罫線(右下のアイコン)」
  メニューの名前は新規文書の作成直後は「下罫線」だが、ドロップダウンリストで
  選ぶと、名称やアイコンの模様も変化する。

  「段落の上」あるいは「段落の下」のみに罫線を設定すると、段落を区切る線になる
  「水平線」という機能もある。

段落を囲む罫線はスタイルとして設定したほうがよい。スタイルとして
設定すると、文字と罫線の間隔を指定することができる。

段落を区切る線は「挿入」→「図:図形 ▼」→「線」で引く方法もある。

◆◆ 書式のコピー ◆◆

フォントの設定、文字の網掛けなどの書式のみをコピーすることができる。

コピーしたい書式が設定されている範囲を選択している状態で
「ホーム」→「クリップボード:書式のコピー/貼り付け」をクリックし、
次にコピー先をドラッグする。

◆◆ 図番号を自動で付ける ◆◆

番号の挿入
  「参考資料」→「図表:図表番号の挿入」
  フィールドが挿入され、スタイルは自動的に「図表番号」になる
  章番号も入れる場合は「番号付け」→「章番号を含める」にチェックを入れ、
  区切り文字を指定する。通常は「ピリオド」

番号の引用
  「参考資料」→「図表:相互参照の挿入」
  参照する項目:図
  相互参照の文字列:番号とラベルのみ

番号の付け直し
  ctrl + A で文書全体を選択した後、F9

フィールドの表示・非表示
  「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」→
  「構成内容の表示:フィールドの網掛け表示」
  を「表示する」にすると、見やすい。

  フィールドの内部情報を表示させるには、
  「右クリック」→「フィールドコードの表示/非表示」
  あるいは「Shift + F9」
  全てのフィールドコードを表示するには「Alt + F9」

◆◆ 章番号・節番号を自動で付ける ◆◆

「ホーム」→「段落:アウトライン」→「新しいアウトラインの定義」
→「オプション(M)」のボタンを押す

まず、「全てのレベルに設定」のボタンを押し、
全て 0mm に設定する。

レベルと対応づける見出しスタイル
  レベル1 → 見出し1
  レベル2 → 見出し2
  レベル3 → 見出し3

番号に続く空白の扱いは  「スペース」or「なし」

レベル2 の見出しは「1.1」のようにしたい。
「番号書式」のテキストボックスがそのような形式になって
おらず、「ア」のようになっているときは、
「次のレベルの番号を含める」で上位レベルの番号を挿入し、
「このレベルに使用する番号の種類」を「1, 2, 3, ...」に設定し、
レベル1 とレベル2 を区切る文字(例えばピリオド)を手動で入れる。

スタイルウィンドウに「見出し1」などのスタイルが表示されないときは
「スタイルウィンドウ右下:オプション」
  →「表示するスタイル:すべてのスタイル」

◆◆ 数式 ◆◆

「挿入」→「記号と特殊文字:数式」

「ホーム」→「フォント」でイタリックを選択しておくと
入力したローマ字がイタリックになる(数字や括弧はイタリックに
ならない)。

TeX のコマンドが使える
a/b と入力してスペースを押すと、分数になる。
その他色々とコマンドがあるので、それを覚えると非常に
迅速に数式の入力が可能となる。

◆◆ 図とキャプションの入れ方 ◆◆

図とキャプションの入れ方は非常に悩ましい。
いくつか方法があるが、一長一短である。

図番号を自動で付けられるのは (1) のみである。

(1) 行内として入れる

これがいちばん管理が楽。
ただし「巧妙にレイアウトして 2 ページ以内に収める」
という用途には向かない。ページ数無制限で書ける
卒論などはこの方法を用いる。

(2) テキストボックスに両方入れる

テキストボックスを四角として挿入する。
通常はページに固定。
その中に図を行内として貼り付ける。
キャプションはテキストボックス内の文字として入れる。

Illustrator の拡張メタファイルはテキストボックス内に
貼り付けできない。
いったんテキストボックス外に貼り付け、次に
コピーしマイクロソフトグラフィックオブジェクトとして
貼り付ける。

(3) 描画キャンバス

描画キャンバスを四角として挿入する。通常はページに固定。
描画キャンバス内に図とキャプション(テキストボックス)
を配置する。

(4) グルーピングを使う

図とキャプション(テキストボックス)を
「四角」としてページ上に配置し、グルーピングする。
キャプションを入れるテキストボックスの横幅は、
あらかじめ図と同じにしておく。
通常はページに固定。
(3) とほぼ同じ効果がある。

(5) 前面

改行でスペースを作り、図とキャプション(テキストボックス)
を前面として貼り付ける。
(2)~(4) でうまくいかないとき、その場しのぎの
方法として用いる。

◆◆ Word の便利機能 ◆◆

◆ 文字列の置換
  「ホーム」→「編集:置換」

◆ スペルチェック、表記チェック

英文のスペルチェック

自動で行う
  「ファイル」→「オプション」→「文章校正」→
  「Word のスペルチェックと文章校正:入力時にスペルチェックを行う」にチェック
       ↓
  スペルミスに赤い波線

手動で行う
 「校閲」→「文章校正:スペルチェックと文章校正」

和文のチェック

「ファイル」→「オプション」→「文章校正」→
「Word のスペルチェックと文章校正:自動文書校正」にチェック
       ↓
  スペルミスに赤い波線(ex.「。。」「ひう」)
  文法誤りや表記揺れに青波線
       (ex.「私は決して運動する」「コンピュータとコンピューター」)

 右クリックするとメニューが表示される

◆ 文字数のカウント

 カウントしたい領域を選択した状態で「校閲」→「文章校正:文字カウント」

◆ 文書ファイルの比較

 「校閲」→「比較」で更新前と更新後の 2 つの docx ファイルを読み込むと
 変更した箇所が表示される。

◆ 変更した箇所を添削結果のように表示する

 「校閲」→「変更履歴:変更履歴の記録」→「変更履歴の記録」で
 変更記録を記録するモードに移る。

 「校閲」→「変更履歴:変更内容の表示」で
 「最終版(変更箇所/コメントの表示」」を選ぶと、削除、追加した
 箇所が赤色で表示され、紙の上で添削したような表示になる。
 

◆◆ キーのカスタマイズ ◆◆

私は以下のように割り当てている

Ctrl + 1     上付き
Ctrl + 2     下付き
Ctrl + 3     イタリック
Ctrl + 4     ギリシャ文字

「ファイル」→「オプション」→「リボンのユーザー設定」
→ 左下の「ショートカットキー:ユーザー設定(T)」ボタン

保存先を適切な位置に設定する。

コマンドを選ぶと説明が左下に表示される。
目的のコマンドを選んだ後、「割り当てるキーを押してください」
のテキストボックスをクリックし、
「Ctrl + 2」のようにキーを押し、
「割り当て」ボタンを押す。

上付き           ホーム-Superscript
下付き           ホーム-Subscript
イタリック       ホーム-Italic
ギリシャ文字     フォント-Symbol
図表番号を挿入   参考資料-InsertCaption

◆◆ 背景色 ◆◆

背景色を設定するにはいくつかの方法がある。

<文字単位>

「ホーム」→「フォント:蛍光ペンの色」

<段落単位(行末の空白領域は含まない)>

「ホーム」→「段落:塗りつぶし」

<段落単位(行末の空白領域も含む)>

まず、独自のスタイルを新規作成する。次に
「スタイルの変更」画面 →「左下:書式」→「罫線と網掛け」→「網掛け:背景の色」