Excel2007 の使い方

最終更新  2012.12.5


◆◆ Excel の基本概念 ◆◆

セルと呼ばれるデータを入れる箱が 2 次元の格子状に並んでいる。
セルの中に 1 個のデータが入る。

◆◆ セルの枠線 ◆◆

印刷したときに引かれるのは「罫線」
ここでの「枠線」は Excel の画面上での表示に関係する。

枠線の表示 「表示」→「表示/非表示」→「枠線にチェック」

枠線の色  「Office ボタン」→「Excel のオプション」→「詳細設定」
      「次のシートで作業するときの表示設定:枠線の色」

◆◆ セルの中のデータとその表示形式 ◆◆

◆ セルに入るデータの形式

主なデータ形式として「数値」と「文字列」の 2 つがある。
例えば「abc」は文字列だが「123」は「数値」の場合と「文字列」の場合の
両方がありうる。通常は「数値」である。

◆ 表示形式

「右クリック」→「セルの書式設定」→「表示形式」

「標準」に設定すると Excel が適宜判断する。
「数値」に設定すると指定した桁まで表示する(四捨五入)
   右端に少し空白ができる
「文字列」に設定すると文字列としてそのまま表示する。

◆ 配置

「右クリック」→「セルの書式設定」→「配置」

以下のオプションがある
 折り返して全体を表示する
 縮小して全体を表示する

◆ Excel による自動変換

例えば、「標準」に設定されているセルに 4/1 と入力すると
表示形式が自動的に「ユーザー定義」になり、「4月1日」と表示する。

表示形式を「標準」「数値」「文字列」のいずれかに直すと
41000 という数値が入っている。41000 は Excel が独自に定義する形式において
4/1 を表す数値のようだ。

このような 4/1 → 41000 という自動変換を防ぐには
表示形式を「文字列」に設定しておく。

◆◆ セルへの入力 ◆◆

◆ 補完

セルを 1 個または複数個選択した状態で、
カーソルを右下の ■ に合わせると、カーソルが + になる。
その状態でドラッグすると、Excel が適切に判断してセルを埋める。

例えば

 1 2

となっていたなら

 1 2 3 4 

のように値を自動生成する。

数式が入っている場合は適切な数式が自動生成される。

◆ 貼り付け

「コピー」→「貼り付け」では思い通りの結果にならないことが多い。

「ホーム」→「クリップボード:貼り付け▼」→「形式を選択して貼り付け」
で貼り付けたい情報を選択する。
「値」を選択する場合が多い。

◆ 改行を含むデータの入力

Alt + Enter
数式バーを 2 行にしておくと確認しやすい。

◆◆ 数式 ◆◆

◆ 数式

= を書くと数式とみなされる。例えば

   = A1 + A2

と書くと、A1 + A2 を計算した結果がセルに表示される。
大文字と小文字は区別しないので = a1 + a2 と入力してもよい。

◆ 絶対参照と相対参照

$ を付けると絶対参照になる

  = A1         A,1 ともに相対参照
  = $A1        A のみ絶対参照
  = A$1        1 のみ絶対参照
  = $A$1       A,1 ともに絶対参照

ドラッグして数式をコピーしたときの動作が異なる。
  ---> 絶対参照で指定した場所は不変
  ---> 相対参照で指定した場所はシフトする

◆ 参照範囲の表示

数式が入っているセルにカーソルを置き、数式バー (リボンの 1 つ下の行) を
クリックすると、数式中で用いたセルに枠が付いて表示される。

◆◆ 表示範囲の設定 ◆◆

1 行目だけ常に表示する
  「表示」→「ウィンドウ:ウィンドウ枠の固定」→「先頭行の固定」

右のスクロールバーの上の ▲ のすぐ上の部分をドラッグするとウィンドウ分割

特定の行の表示・非表示
  非表示:「列を選択」→「右クリック」→「非表示」
  再表示:「非表示にした列の両側の列を選択」→「右クリック」→「再表示」

◆◆ 印刷のための操作 ◆◆

◆ ページレイアウト

「ページレイアウト」→「ページ設定」の右下の ▲ をクリック

設定項目
  縦置き or 横置き
  拡大率
  上下左右の余白

◆ 改ページプレビュー

「表示」→「ブックの表示:改ページプレビュー」

ページ区切りの位置が表示される。マウスで点線をドラッグすると
ページの区切り位置を設定することができる。

このとき、ページレイアウトの設定項目である「拡大率」が
自動的に再設定される。

◆◆ 罫線 ◆◆

「ホーム」→「フォント」の中に罫線のメニューがある。

あるいは「設定したい領域を選択状態にした状態で右クリック」
→「セルの書式設定」→「罫線」

◆◆ 条件によってセルの色を変える ◆◆

「ホーム」→「スタイル:条件付き書式」→「ルールの管理」

例:60 未満のセルの塗りつぶしをピンクにする

「新規ルール」→「指定の値を含むセルだけを書式設定」

◆◆ 並べ替え ◆◆

「ソートしたい範囲を選択」→「データ」→「並べ替えとフィルタ:並べ替え」

◆◆ 行と列を入れ換える ◆◆

「入れ換えたい範囲を指定」→「コピー」
→「形式を選択して貼り付け:行と列を入れ換えるにチェックを入れる」

◆◆ グラフ ◆◆

◆ 作成

グラフ化したい範囲を指定して
「挿入」→「グラフの右下の△」

範囲が長方形でないときは、Ctrl を押しながらドラッグ

◆ 良く使うグラフ

項目と値     縦棒  横棒
xy座標値     散布図

軸のとり方が xy 逆のときは
「グラフツール:デザイン」→「データ:行/列の切り替え」

横棒グラフを描くとき、下から上向きに順番に並ぶ。
これを逆にするには縦軸の「軸の書式設定」→「軸のオプション」を
「軸を反転する」にチェックを入れる。

◆ 設定の変更

「グラフツール:レイアウト」
あるいは設定したい場所を右クリック

散布図や折れ線グラフにおいてマーカー(測定点にプロットする ○ 印)を
付けたり、色や形を設定したいときは、
「グラフの線を右クリック」→「データ系列の書式設定」→
「マーカーのオプション(付けるか否か、形、サイズ)」or
「マーカーの色(外周線の色)」or
「マーカーのスタイル(外周線の太さ、スタイル)

◆ データの追加

「グラフツール:デザイン」→「データ:データの選択」→「追加」
あるいは
「何らかの系列の上で右クリック」→「データの選択」→「追加」

◆ 系列名の変更

「グラフツール:デザイン」→「データ:データの選択」→「編集」

◆ 第 2 座標軸の追加

「系列を右クリック」→「データ系列の書式設定」
→「系列のオプション」→「使用する軸を第 2 軸に設定」

◆ 軸のラベルをつける

「グラフツール:レイアウト」→「ラベル:軸ラベル」

◆◆ 関数(カウント、合計、平均、標準偏差、順位) ◆◆

◆ 個数を数える

COUNT(A2:A10)           数値が入力されているセルの個数を数える
COUNTA(A2:A10)          空白以外のセルの個数を数える
COUNTIF(A2:A10,">=0")   0 以上の数値が入っているセルの個数を数える
COUNTIF(A2:A10,"<=40")  40 以下の数値が入っているセルの個数を数える
COUNTIF(A2:A10,"○")    ○が入っているセルの個数を数える

◆  合計、平均、標準偏差

SUM(B2:B10)             合計を求める
SUMIF(B2:B10,">=0")     0 以上の数値が入っているセルの合計を求める

AVERAGE(B2:B10)         平均を求める。ただし文字列のセルは無視する。
STDEVP(B2:B10)          標準偏差を求める。ただし文字列のセルは無視する。
                        STDEV() を使ってはいけない。

◆ 最大、最小

MAX(A1,100)            A1 と 100 の最大値
MIN(A1:A20)            A1 〜 A20 の最小値

◆ 順位

RANK(A1,$A$1:$A$20)    A1 〜 A20 の中で A1 は何位か?  数値が大きい方が順位は上
RANK(A1,$A$1:$A$20,1)  数値が小さい方が順位は上

◆◆ 関数(条件判断) ◆◆

IF(B2="○",0,10)        文字列との比較
                       「等しくない」は B2<>"○"
                        この例では、真のとき 0, 偽のとき 10
IF(B2>=100,100,B2)      数値との比較
                        この例では、真のとき 100, 偽のとき B2 の値

IF(B2>=60,"○","×")    結果が文字列のとき "  " で囲む
                        この例では、真のとき "○", 偽のとき "×"

大小の比較
B2 > 60    60 を超える
B2 >= 60   60 以上
B2 <= 60   60 以下
B2 < 60    60 未満

(注意!)
IF の結果が数値のときは " " は付けない。文字列のとき "  " で囲む。

◆◆ 関数(丸め) ◆◆

◆ 数値の丸め

INT(A2)          整数部を取り出す(負の数のとき INT(-1.2) = -2)
ROUND(A2,1)      四捨五入して小数点第 1 位までの数にする
ROUNDDOWN(A2,0)  切り捨てて整数にする
ROUNDUP(A2,-1)   1 の位を切り上げる

※ 注意

ROUND 関数などで数値を丸めるのと
「セルの書式設定」で「表示形式」を「数値」にして小数点以下の桁数を
指定するのは、見かけは同じだが、セルの内容は異なる。

例えば、セルの書式設定で表示時に丸めたセルの値を足し算すると、

   1.5 + 1.5 = 2.9

という結果が起こりうる。なぜなら表示時に 1.45 ---> 1.5 という丸めが
行われているとき、表示される値は 1.5 だがセルの中身は 1.45 である。
1.45 + 1.45 = 2.9 という計算が行われ、結果は 2.9 になる。

◆◆ 関数(複合) ◆◆

関数の中に関数を入れることができる。例えば

=IF(B2="○",0,INT(E2))

  B2 が ○ のとき 0    そうでないとき INT(E2)

◆◆ セル(複数可能)に名前を付ける ◆◆

例えば、セル A1 に名前を付けて R と呼ぶことにすると、
絶対参照 $A$1 と書く代わりに R と書けるので、
数式が見やすくなる。

名前を付けたいセルを選択した状態で、名前ボックス(セル A1 の 2 行上)に
名前を入れて Enter を押す。

あるいは「数式」→「定義された名前:名前の定義」

「数式」→「定義された名前:名前の管理」で名前を付けたセルの一覧表を表示する

A1:A10 のような領域に名前を付けることもできる。