最終更新 2013.7.19
OS である Windows が提供する機能。 データを一時的に置いておく場所。 その構造は以下の通り。テキスト(文字のこと)、画像、図形など形式(フォーマット)ごとに箱がある。 1 つの形式(フォーマット)の箱は 1 個だけ 1 個の箱には 1 個のデータしか入らない。
まず、クリップボードをクリアする(全てのデータを消去する)。 次に、クリップボードへ様々な形式でデータをコピーする。 例えば、PowerPoint2007 で図形を選んで「コピー」すると、 17 種類のフォーマットのデータがクリップボードに貼り込まれる。![]()
ここ にある clipboard.exe を使うと、クリップボードの中を覗くことができる。 デスクトップなどに保存して、実行してください。 警告が出てきますが、私が自作したプログラムなので安心して実行してください。 テキスト, ファイル名, Windowsメタファイル, 拡張メタファイル, ビットマップ(BITMAP), デバイスに依存しないビットマップ(DIB) は 特に重要なので、内容を表示する。 BITMAP, DIB に関しては解像度(縦横のピクセル数)も表示する。
Word, Excel, PowerPoint は貼り付けるデータ形式を指定可能。 例えば PowerPoint 2007 で図形をコピーして Word 2007 で 「クリップボード:貼り付け▼」→「形式を選択して貼り付け」 と操作すると、下記のように、どのフォーマットのデータを貼り付けるか 聞いてくる。「貼り付け」メニューだけがあるアプリケーションは、 クリップボード内を検索し、より優先順位が高い形式のデータを 貼り付けるようだ。 例えば、ペイント2007は「画像(BITMAP, DIB)」→ 「図形(拡張メタファイル:貼り付け時に画像化)」の優先順位を持つ。
◆ 文字
「テキスト」「unicodeテキスト」
→ 文字のみ。フォント名, サイズ, 上付き, アンダーラインなどは含まない。
◆ 画像(ラスターデータ)
縦横に並んだピクセルの集合
写真などの画像を表現するための形式
「ビットマップ(BMP)」「デバイスに依存しないビットマップ(DIB)」「図(PNG)」
→ 劣化のない画像
「図(GIF)」→ 256 色に減色した画像
「図(JPEG)」→ 圧縮した画像(劣化発生)
写真は OK だが線画は NG
◆ 図形(ベクトルデータ)
座標で図形を表す。拡大縮小しても形が崩れない。
「図(Windows メタファイル)」「図(拡張メタファイル)」
→ Windows メタファイルは Windows3.1 の時代の古いデータ形式
拡張メタファイルは Windows95 以降のデータ形式
表現力は同等と思われるが、通常は「拡張メタファイル」を選ぶ
◆ 複合
「html 形式」「リッチテキスト形式(RTF)」
→ 文字(フォント, 色, サイズなど含む), 画像, そのレイアウト情報などを含む
◆ アプリケーションの独自形式
「Microsoft Office グラフィックオブジェクト」 (PowerPoint2007, Excel2007)
「Microsoft Office 描画オブジェクト」 (Word2007, Excel2007, PowerPoint2007)
「Microsoft Office Word 文書オブジェクト」 (Word2007)
「Microsoft Office Excel ワークシートオブジェクト」(Excel2007)
「Microsoft Office Excel グラフオブジェクト」 (Excel2007)
(注意!)
PowerPoint2007 ---> Word2007 に図形をコピーするとき
「Microsoft Office グラフィックオブジェクト」を選択すると、
クリップボードの中ではベクトルデータであるが、
Word2007 に貼り込まれるときにラスタデータに変換され、醜い体裁となる。
Word2010 ではラスタデータへの変換は起こらない。
・通常の貼り付けは以下のフォーマットを選ぶ
文字は「テキスト」あるいは「Unicode テキスト」
画像は「BITMAP」あるいは「デバイスに依存しない BITMAP」
図形は「図(拡張メタファイル)」
Office 同士のコピペでは上記のフォーマットより
「Microsoft Office ・・・」の方が良いと思われる。
・特殊な例
- PowerPoint2007 の図形を Word2007 に貼り付ける
→ 図(拡張メタファイル) が最適
Microsoft Office グラフィックオブジェクトは画像化されるので不可
Word2010 の場合は Microsoft Office グラフィックオブジェクトは可
- Illustrator CS2 の図形を Word2007 に貼り付ける
→ 図(拡張メタファイル) が最適
図(Windowsメタファイル) はラスタデータ(画像)なので不可
ファイルの「切り取り」「コピー」「貼り付け」のときにも
クリップボードが利用される。
クリップボードには「ファイル名」を入れる箱がある。
「切り取り」「コピー」すると、ファイル名を格納し、
「切り取り」か「コピー」のどちらかも併せて記録する。
「貼り付け」するとファイル名が格納されている場合は
ファイルのコピーを行う。
「切り取り」の場合、コピー元のファイルを削除する。
ファイル名を扱うのは「コンピュータ」「エクスプローラ」のみ。
Word, Excel, PowerPoint では扱えない。
エクスプローラーで「切り取り」や「コピー」をしたときに
クリップボードがクリアされるので、Word や PowerPoint がそれ以前に
コピーしたデータはクリアされる。
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あるフォルダ内の多数のファイル名を Word やメモ帳などに貼り付けたい場合は、
clipboard.exe を利用して以下のように操作するとよい。
1. エクスプローラーでファイルを選択して「コピー」
2. clipboard.exe で「情報取得」
3. clipboard.exe のファイル名を表示する領域でファイル名を選択し
「右クリック」→「コピー」
4. Word で貼り付け
提出期限 8/1(木)
下記の問題の解答をメールで送付しなさい。
最初に自分の名前を書いて下さい。
Word で解答を作成して添付ファイルとして送ってはいけません。
メールの本文中に解答を書いてください。
1. ラスターデータとベクトルデータの違いを説明しなさい。
2. PowerPoint2007 で描いた図形を Word2007 に貼り付ける。
「形式を選択して貼り付け」をするとき、選んではいけない形式はどれか?
理由も書きなさい
3. Word でレポートを作成している。
Web サイトの文章の一部を引用することにした。
「形式を選択して貼り付け」をするとき、どの形式が最適か?
理由も書きなさい
4. clipboard.exe を用いて、クリップボードに格納された画像の
解像度(縦横のピクセル数)を答えなさい。
(a) Print Screen で画面全体をクリップボードへコピーしたとき
(b) alt + Print Screen で clipboard.exe のウィンドウを
クリップボードにコピーしたとき
5. 本講義「情報機器の操作(e) 」において、以下について教えてください。
(a) 役に立つと思う学習項目
(b) 次年度は省略したほうがよいと思う学習項目
(c) 特に印象に残った事柄
それぞれ 1 つ以上挙げ、できれば理由も簡潔に記してください。
また、授業の進め方についての意見などがあれば、御指摘ください。
以上