LTspice の使い方 覚え書き

最終更新  2015.11.9


◆◆ 参考図書 ◆◆

トランジスタ技術 2014.12 特集 非常に詳しい・例題多数
LTspice 入門編  神崎康宏 CQ出版社
トランジスタ技術 2011.6 特集 登地功  別冊付録 平賀公久

◆◆ 最初にやるべき設定 ◆◆

Tools → Control Panel → Netlist Options
Convert 'μ' to 'u' にチェックを入れる。

Tools → Color References でカラーの設定
グラフのラインの色を見やすい色に変更しておく
座標軸は白なので、それと重なっても良いよう、白以外の明るい色に設定する。

File → New Schematic で新規作成をした後、
View → Show Grid でグリッド表示

V1, R1 などの指定時、大文字小文字は区別しない。

◆◆ 基本操作 ◆◆

インターフェースがかなり独特である。

ツールバーのアイコンを左クリックして、そのコマンドのモードに入る。
右クリック or ESC でそのコマンドのモードから抜ける。

コマンドを選択した後、対象となるオブジェクトを指定する方法は、
一太郎 Ver.3 の時代のインターフェースを彷彿させる。

例えば、コピー → ペースト したいときは、
Copy アイコンをクリックしてコピー範囲を指定し、
左クリックで Paste

ショートカットはメニューの Edit を押せば分かる。


◆◆ 回路部品の配置 ◆◆

・抵抗、ダイオード、コンデンサなど

アイコンを選択した後、左クリックで配置、右クリック or ESC で終了。

回転:Move アイコンをクリックした後、部品をクリックして C-R
   C-E で鏡像反転

移動:Move で移動させると Wire は途切れる
   Drag で移動させると Wire は伸びる  
   部品を Drag すると線が斜めになるので、あらかじめ範囲を囲んでおく

削除:ハサミアイコンをクリック、または Del キーを押して
   ハサミマークが表示されている状態で、素子の上で左クリック

回路素子の値など文字の移動は、Drag をクリックした後、
文字をクリックして移動後、クリックで移動終了。

・電源、信号源、トランジスタなど

論理素子の AND 記号のアイコンをクリック
電源、信号源は voltage
電流源は current
トランジスタは npn など

・画面の操作

space を押すと回路が画面中央に配置され縮尺が自動調節される。

何も選択していない状態(カーソルは + )でドラッグするとスクロール

回路全体を移動させるには、Move をクリックし、回路全体を選択する。

◆◆ 素子の値の設定 ◆◆

右クリックで数値などを設定
「回路記号」「素子の値」「素子の通し番号」それぞれ右クリックしたときに
設定できる項目が微妙に異なる。

抵抗の値を 1M と指定すると 1m になるので注意。1Meg あるいは 1meg とする。
コンデンサの数値を設定するときに u をつけ忘れないよう注意。

電圧源は右クリックし、Advanced ボタンをクリックすると
詳細な設定項目が現れる。

◆◆ 配線 ◆◆

Wire アイコンをクリック
左クリックで配線をすすめる。折れ線は、端点で左クリックの要あり。
Tina とは操作法が異なる(Tina では端点での左クリックは不要)ので注意。
左クリックした場所が、結線場所なら自動的に終点となる。

右クリック or ESC で配線モードから抜ける。

削除は Del キーを押してハサミマークが表示されている状態で
配線の上で左クリック


◆◆ シミュレーションの実行 ◆◆

Simulate → Edit Simulation Command

でシミュレーションの設定をした後、

Simulate → Run

で解析開始。
Run を実行したとき何が起こるかは、
画面中に書かれているコマンドによって決まる。

. ではじまるのが有効なコマンド
; はコメントアウトされたコマンド

.tran   過渡解析
.ac     AC 解析(周波数特性)
.dc     DC sweep 解析
.op     DC 静的電圧

Simulate → Edit Simulation Command
で何らかの設定をすると、上記のコマンドが自動生成され、
既に記述されているコマンドはコメントアウトされる。

LTspice は解析結果として全ての節点の情報を保持する。
何を表示するかは、解析終了後、測定点を設定する。

◆◆ DC op pnt (DC operation point) ◆◆

Simulate --- Edit Simulation Command --- DC op pnt

各場所の直流電圧を求める。コマンドは .op
解析が終了するとウィンドウが開き、各ノードの電圧、電流のリストが表示される。

電圧・電流値を常時画面上に表示する方法は以下の通り

カーソルが + の状態で、
配線上を 1 回クリックするとラベル領域が表示され、
もう 1 度クリックするとその場所の電圧を表示する。

カーソルが + の状態で
配線上を 1 回クリックし、少しカーソルの位置を線からずらして
もう 1 度クリックすると、ラベル内容が ??? となる。
右クリックしてウィンドウを表示し、表示したいものを選び、$ を消すと
電流値を表示する。

アースに接続されている線はクリックしてもラベルが表示されない。
同じ電流値をとる別の場所(素子を挟んだ反対側)を指定する。

パラメータステッピングと組み合わせることもできる。
方法は「パラメータステッピング」の項目を参照。
そのときは、表示したい電圧・電流の場所でクリックする。


◆◆ DC sweep(DC 伝達特性)の設定項目 ◆◆

Simulate --- Edit Simulation Command --- DC sweep

直流電源の値を変化させる。変化させたい直流電源の値は 0 など
何らかの数値を入れておかないと、エラーになる。

Name of 1st Source to sweep に変化させたい素子の名前 (ex. V1) を入れる。
 start stop step を指定する。3 つめのパラメータが
 num ではなく step なのに注意!!!

DC operation point のモードで電源電圧をパラメータステッピング
させても同様の結果が得られるので、このモードが何のためにあるのか
よくわからない。


◆◆ 過渡解析の設定項目 ◆◆

電圧源の設定

 Advanced をクリックする

 Functions の項目が有効になる。
 Sin 波の場合 Sine にチェックを入れる
 最低限設定すべき項目は DC Offset, Amplitude, Freq
  Tdelay で指定した時間だけ 0 を出力する
  Theta は 1/x のような包絡線を設定する

  パルス波の設定項目の意味は以下の通り
    Vinitial   V1 ( t=0, v = V1 でスタート )
    Von        V2
    Tdelay     V1 の継続時間
    Trise      V1 → V2 の遷移時間
    Tfall      V2 → V1 の遷移時間
    Ton        V2 の期間
    Tperiod    周期

  | V1 → V2 → V1 |  で 1 周期。
  V1, V2, V1 の継続時間はそれぞれ
  Tdelay, Ton, (Tperiod - Tdelay - Ton) である。

  Trise Tfall を空白、あるいは 0 にするとデフォルト値になる。
 デフォルト値は 0 ではない。ある例では 0.1m くらいであった。
 1u のような微小な値に設定する。

Edit Simulation Command → transient の設定

  Stop Time (測定時間) のみを設定すると良い
 Maximum Timestep は設定しない方がよい。
 Δt は可変であり、空欄にしておくと最適な値に設定してくれるようだ
 ダイオードと RC 平滑化回路の場合、Maximum Timestep を明示的に設定すると
 電流の波形が乱れる。

◆◆ AC analysis(周波数特性)の設定項目 ◆◆

複素記号法を用いて振幅と位相を計算するモードである。

Edit Simulation Command で sweep する周波数を設定

電圧源 (voltage) を右クリックして
Small signal AC analysis の AC Amplitude, AC Phase を設定する



◆◆ 測定点の設定(過渡解析, AC解析, DC sweep, DC op pnt + parameter step) ◆◆

Run マークのアイコンをクリックした後、観測したい点でマウスをクリックする。

マウスの位置に応じて、配線の上なら電圧プローブ、
素子の上なら電流プローブになる。

電流プローブの向きを逆にしたいときは、素子を 180°回転させて素子の向きを
変えるか、グラフウィンドウにて変数名の手前に - をつける。

電圧プローブをドラッグすると 2 点間の電圧を測定できる。

alt を押すと配線の上でも電流プローブになる。このときの向きは、
右向きか下向きのいずれかになるようだ。

一度設定すると、次回からはその設定が引き継がれる。

クリックする位置にラベルを付けておくと、グラフが V(ラベル名) となるので
見やすい。ラベルがないとき V(n001) のようになる。

ラベルを設定するとき、線の上でクリックすると、配線の手間が省ける。


◆◆ パラメータステッピング ◆◆

変化させたい「値」を「数値」ではなく「変数」で指定する。
抵抗の値なら 1k ではなく {r1} のように表す。このとき変数名は r1(大文字小文字の区別なし)
電流源の値なら 10u ではなく {i1} のように表す。このとき変数名は i1

右端のアイコン .op を選び、パラメータの変化を記述する。
記述し終えたら、「enter キー」ではなく
「OK をクリック」---> クリックして回路図上に配置

コメントアウトは行頭に ; (セミコロン)
改行は enter ではなく、ctrl + enter

例:
.step param r1 list 1k 3k 5k    (値を列挙)
.step param r1 1k 5k 2k         (開始値, 終了値, 間隔)

.step param i1 list 10u 30u 100u  (値を列挙)
.step param i1 5u 25u 5u          (開始値, 終了値, 間隔)

パラメータステッピングの結果多数のグラフが得られる。
選択したグラフだけ表示するには、
グラフウィンドウがアクティブな状態で
右クリック → Select Steps

電圧などを表示する場所を 1 箇所だけ設定すると、
変化させた値ごとに別の色で表示するので、見やすい。

電圧などを表示する場所を 2 箇所以上設定すると、
場所ごとに別の色が割り当てられるので、変化させた各値の
グラフが同じ色になるので見づらい。


◆◆ グラフ ◆◆

グラフウィンドウで左クリックするとメニューがグラフ用に変化
あるいは右クリックでグラフ用メニューを表示

データ点の表示   [Plot Settings] --> [Mark Data Points]

データの外部出力  [File] --> [Export]
          例えば、.step param で 5 回 DC sweep を繰り返したとき、
          5 回分が連続したデータとして出力される。
          x 軸は .dc で設定した値が採用される。

エリアの拡大表示  [View] --> [Zoom Area] → 範囲をドラッグ

座標軸の設定    [Plot Settings] --> [manual limits]

符号の反転     V(p2) などのラベルを右クリックし、
          -V(p2) のようにマイナス記号をつける

表示項目の削除      [Plot Settings] --> [Delete Traces]
          あるいは del キーを押す
                    次に、V(input) などのラベル名の上でクリック

グラフを PowerPoint などに貼り付ける
          Tools --> Write to .wmf file

2個以上の波形を別々のグラフに描く
          Plot Settings --> Add Plot Pane
          すでに描いたグラフを削除するには、ハサミマークをクリックして
            グラフを表す文字の上でクリック(グラフが消える) ---->
            枠上でクリック(枠が消える)
          


◆◆ パラメータの組み合わせを試す ◆◆

.step param no 1 3 1      番号変数名  初期値  終了値  増分値
.param R1 table(no, 1, 15, 2, 20, 3, 25)   各番号に対応する値
.param C1 table(no, 1,  0, 2, 1u, 3, 10u)

得られたグラフのうち、特定の試行のグラフだけを表示するときは
[Plot Settings] --> [Select Steps]


◆◆ インストールできない場所で使う方法 ◆◆

C:\Program Files\LTC\LTspiceIV

以下をコピーし、scand.exe をダブルクリックすると
起動する。

「tool」→「control panel」などで設定した項目は
Windows7 の場合

C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\VirtualStore\Windows

以下に書きこまれる。

上記のフォルダは、アプリケーションがアクセスが禁止されている
フォルダにファイルやフォルダを生成しようとしたときに
自動的に生成されるフォルダである。

アプリケーションからは禁止されているフォルダ内へのアクセスが
成功したように見える。


◆◆ 可変抵抗の表し方 ◆◆

2 つの抵抗の直列接続で表す。
100k を R1 と R2 で表すとき、以下のように指定する。
{  } をつけるのを忘れないように!!!

R1: {100k * (1-a) + 1m}
R2: {100k * a + 1m}

a を指定する                   .param a 0.5
a を 0 から 1 まで変化させる   .step param a list 0 0.5 1