Tina-TI の使い方・覚え書き

最終更新  2024.04.01


◆◆ 素子の並べ方 ◆◆


アイコンをクリックし、回路図フィールドでクリックすると、
その場所に配置される。

向きの変え方
 Ctrl + L 左回転
 Ctrl + R 右回転
 ツールバーの回転ボタン
 右クリック → 左(右)に回転

削除
 右クリック→「削除」
 Del キー

素子の表示を「回路記号」→「実物」に変更するには、
「表示」→「オプション」で「3D形状を可能にする」に
チェックを入れる。

◆◆ 結線 ◆◆


素子の両端に赤い印がある。その場所にマウスカーソルを持って行くと
鉛筆マークになる。クリックして始点を定め、次のクリックで終点を定める。

素子を上書きするように線をひくと、その素子が挿入される。

ツールバーの「ワイヤー(鉛筆マーク)」をクリックするとカーソルが
鉛筆マークになる。

右クリック→「削除」で削除

「挿入」→「自動ワイヤー」にチェックを入れておくと、
素子を移動させたときワイヤーもそれに応じて移動する。

本来の終点から 1 ブロック離れた場所で、終点を決める
クリックをすると、1 ブロック分の枝(先が接続されていない線)
が発生し、不必要な黒丸が発生する。
解析に支障はないが、見苦しい。結線時は拡大率を上げておき、
クリックの場所をミスらないようにするとよい。


◆◆ 線の結合 ◆◆


黒丸がついていない場所は線が接していても接続されていない。
従って、T字型の場所でも黒丸が付いていない場所は、接続されていない。
線をクリックすると、一つの線要素が赤色で表示されるので確認できる。

「右クリック」して「自動ワイヤ」にチェックを入れる(トグル)と、
素子を移動させると配線も自動的に変更される。

◆◆ 抵抗値・容量値などの設定 ◆◆


素子をダブルクリックする。
あるいは、素子を右クリックして「プロパティ」。

1 マイクロは 1u と入力する。
1 ミリ  は 1m (小文字) と入力する。
1 メガ  は 1M (大文字) と入力する。

◆◆ 測定箇所の設定 ◆◆


アースを設定する ← 忘れないように!!!

電圧は「計器」→「電圧ピン」or「電圧計」
電流は「計器」→「電流ピン」or「電流計」

電圧源は計器を接続する必要はない。
IO ステートが Output に設定されている

グラフに表示したくないときはダブルクリックして
「IOステート」を None に設定する。

アースを含まない 2 点間の電圧を測定するには
「電圧計」を使う。


◆◆ 電源・電圧ジェネレータ ◆◆


電圧源と電池は直流電源を表すときに使う。
電圧ジェネレータは信号発生器として使う。

電圧ジェネレータは「直流+交流」を表せる。
交流の振幅を 0 とすると、直流電源としても使える。

周波数や振幅の設定は「ダブルクリック」→「シグナル」で行う。
オフセットは「DCレベル」である。


◆◆ オペアンプの使い方 ◆◆


電源を接続するのを忘れないようににする。
オペアンプ電源の配線は、ジャンパを使うと便利である。
ラベル名が同じジャンパは接続される。

◆◆ エラーに対する対処 ◆◆


シミュレートしようとすると、以下のエラーが出ることがある。

(1) 警告:ワイヤーが接続していません
(2) 回路が違反です

エラーの原因となる部分が、画面外に存在することがある。
ヘルプの下にある「ズーム」のリストボックスの拡大率を
「全て」をクリックすると、全ての素子を表示するように
拡大率が設定され、孤立した素子が出現する。

「表示」→「ページレイアウト表示」で回路図全体を見ても
よい。

(1) への対処

エラーの行をクリックすると、問題のある箇所がハイライト
表示される。回路図のウィンドウを active にして
削除アイコンをクリックすると、問題のある箇所を
削除することができる。

ある素子が正しく接続されているか確認するには、
「右クリック」→「自動ワイヤー」にチェックを入れて、
その素子をドラッグする。

(2) への対処

「電圧源のショート」「電流源の開放」
「コンデンサの端子がどこにも接続されていない」
などが原因である。


◆◆ DC 解析 ◆◆


回路中の直流電圧・電流を求める。

パラメータステッピングモードになっているときは、
「解析」→「モード」→「シングル」でシングルモードに戻す。

「解析」→「DC 解析」→「節点電圧を計算」
 ---> 電圧ピン、電流矢印、電圧計、電流計の場所の電圧・電流を表示

「解析」→「DC 解析」→「DC 結果の表」
 ---> 表形式で表示

「キャンセル」を押すまではマウスカーソルが
オシロのプローブのマークになっている。
素子をクリックすると、その素子にかかる電圧、
その素子を流れる電流を表示する。
DC 結果の表 の場合は赤字になる。

「解析」→「DC 解析」→「DC 電圧特性」
  ---> 回路中のパラメータ(電圧 or 電流 or 抵抗)を変化させたいとき


◆◆ AC 解析 ◆◆


横軸を周波数、縦軸を電圧/位相としたグラフを作成する。

「解析」→「AC 解析」→「AC 伝達特性」

入力(電圧ジェネレータあるいは電圧ピン)の IO ステートを Input に設定する。
波形を設定する必要はない。

出力箇所に電圧ピンを設定し IO ステートを Output に設定する。
Output は複数あっても良い。Input を複数設定すると、エラーになる。

◆◆ 過渡解析 ◆◆


入力波形を設定し、各場所の電圧電流を表示する。

電圧ピン、電圧ジェネレータなどの IO ステートが None に
なっていない端子の電圧波形が表示される。

コンデンサにあらかじめ電荷が貯まっているときは「初期条件の使用」
を選択する。


◆◆ グラフの操作 ◆◆


座標軸の範囲を指定したい場合は、「右クリック」→「プロパティ」
で「スケール」の「下限:」「上限:」を指定する。
100m と指定すると、100×10^{-3} と解釈してくれ、座標軸には
100m のように表示される。u は 10^{-6}

「表示」→「曲線の分離」で個別のグラフを書く
書籍「デジタル回路の「しくみ」と「基本」」に付属する ver.7 は
デジタル IC を一個でも使うと、最初から曲線を分離したグラフを書く。

第二座標軸を使いたい場合は、曲線を右クリック→「新しい Y 軸の追加」

「表示」→「曲線の表示/非表示」で各種測定点の表示/非表示を
切り替えられる。

「オートラベル」のアイコンをクリックし、ラインの上で
クリックすると、ラベルが付く。

「注釈」のアイコンをクリックし、グラフ上でクリックすると、各線に
対する注釈が入るので便利。

軸をダブルクリックして「軸スケールをきりの良い数に設定」にチェックを
入れると次に書くグラフにも反映される。


美しいグラフを書くには、「ファイル」→「エクスポート」→「テキスト」
として書き出し、Excel でグラフを描く。

このとき、電圧ジェネレータの数値は、それ以外のデータの後に
書き出され、時間軸の刻み幅が異なる。
エクスポートするときは、電圧ジェネレータのステータスを
Input --> None に変更し、電圧ピンを設定すべきである。


◆◆ パラメータステッピング ◆◆


パラメータ(抵抗の値など)を複数の値に設定し
そのときのグラフを描く。

「解析」→「コントロールオブジェクトの選択」

で変化させたい素子を選択する。
パラメータステッピングに指定された素子は、* マークが付く。
同時に、自動的にパラメータステッピングモードになる。

モードは「解析」→「モード」→「パラメータステッピング」
で確認できる。

パラメータステッピングウィンドウで設定する。
「リスト」を選ぶと設定する値を手動で指定することができる。

パラメータステップの設定を削除したいときは、
パラメータステッピングのウィンドウで「消去」のボタンを押す。

設定はそのままで、一時的にパラメータステッピングを解除
したいときは、「解析」→「モード」→「シングル」

DC 解析の場合は「DC 伝達特性」に加えて
「パラメーターステッピング」で 2 つのパラメーターを
変化させることができる。

◆◆ 発振回路のシミュレーション ◆◆


過渡解析をするとき、デフォルトの計算条件では発振しないことがある。
弛緩発振回路のシミュレーションでは以下の条件が必要であった。

・「0 初期値」を選ぶ
・積分オーダーを 3 にする(2, 4, 5, 6 ではうまくいかない)

過渡解析時に「動作点の計算」ではなく「初期条件の使用」
を選ぶ。

◆◆ トランジスタ ベース−エミッタ 静特性の解析法 ◆◆


回路図を書きアースを設定
ベースに電圧ピンを設定し、IOステートを「output」
ベース電流用の電流計を設定し、IOステートを「output」
上の 2 つの計器以外は「non」

「解析」→「DC 解析」→「DC 伝達特性」にて入力を
ベースを駆動する電源に設定し、開始値、終了値、点の数を設定。

グラフが得られる。

「ファイル」→「エクスポート」→「テキスト」で
入力電圧, V_b, I_b
のテキストファイルが出力される。

Excel で読み込んでグラフ表示する。


◆◆ トランジスタ ベース電流−コレクタ電流 静特性 ◆◆


ベース電流とコレクタ電流の電流計の IOステートを「Output」
他は「none」

「解析」→「コントロールオブジェクト」でコレクタ用電源の
電圧値のスキャン範囲を設定する。

「解析」→「DC 解析」→「DC 伝達特性」にて入力をベースを駆動する
電源に設定し、開始値、終了値、点の数を設定。


◆◆ トランジスタ 交流増幅特性 ◆◆


信号がないときにベース電流として定常電流を流す必要がある。
固定バイアス回路を組む。信号をコンデンサで結合させ、加える。

電源電圧は 5V、交流信号が 1kHz, ±10mV の正弦波のときを考える。
1μF のコンデンサで結合してベースに加える。

定常電流は、ツールバーで「DC インタラクティブモード」を選択し、
インタラクティブ On にすると分かる。

振幅変化は過渡解析し、グラフウィンドウで「表示」→「曲線の分離」
で分かる。

交流信号電圧がベース電流をどの程度変化させるかは、
ベース電流の定常値によって異なる(固定バイアスの抵抗値によって
異なる)ことなる。なぜなら、ベース電圧 ←→ ベース電流 の関係は
曲線であり、場所によって接線の傾きは異なる。これは
場所によって等価的な抵抗値が異なることを表している。

また、カプリングコンデンサは 1kHz なので 159Ωの抵抗値となる。

100kΩのときベース電流の定常値は 43uA であり ±15uA 程度の
変化になる。

50kΩのときベース電流の定常値は 85uA であり ±25uA 程度の
変化になる。

◆◆ トランジスタに関する考察 ◆◆


トランジスタの増幅特性は 200 倍程度であり、
1815 の場合線形が維持されるのはベース電流が 300μA 以下である。

例えばバイアス電流の直流値を

  ベース電流 50μA ----> コレクタ電流 10mA

として、信号によって ±30μA 変化させたい場合、
ベース電流 50μA のときのベース抵抗が 500Ωくらい(Tina シミュレータ
による)なので、30μA × 500Ω = 15 mV 程度の振幅が交流入力信号
として必要である。

コレクタ電流は 6mA 変化するので、200Ωの抵抗を接続すると、
無信号時の電圧降下は 2V, 振幅は ±1.2V となる。

◆◆ デジタル IC の使い方 ◆◆


「基本」→「ジャンパ」で VCC と GND のジャンパピンを設定する。

7400 などの論理素子を配置し、Ground と Vcc に先程の
ジャンパ名を入れる。

デフォルトでは TTL であり、5V の電源電圧で H のときの出力が 3.4V 程度
になる。Catalog で CMOS, High Speed CMOS などに変更する。

CMOS インバータを使った無安定マルチバイブレータを構成するとき、
電流制限抵抗として 10kオーム以上の抵抗が必要である。