ハイフレックス (hybrid-flexible) 授業の方法

初版作成  2021.4.19
最終更新  2024.04.01


◆◆ 教室の設備 ◆◆


以下の設備を整備することが望ましい

・2 画面使えるパソコン
 (1 画面だと遠隔の学生とのやりとりが非常にしづらくなる)

・ホワイトボード講義用に書画カメラ

・パワポ講義用にビデオスプリッタ (HDMI スプリッタ) とプロジェクタ

以下では Teams を使うときの方法を述べるが、
Zoom でも同様であると思われる。

◆◆ ホワイトボード板書講義 ◆◆


書画カメラでホワイトボードを撮影する。
「デバイスの設定」でカメラとして書画カメラを指定する方法はダメである。
解像度が 640x480 程度に落ちる。
「画面共有」すると、解像度が 1920x1080 になるので、
ホワイトボードの映像を画面共有を用いて配信する。
2 つ方法がある。

(1) 書画カメラ付属アプリを用いる

通常、書画カメラにはアプリが付属しており、そのアプリで
書画カメラの映像をリアルタイムで映すことができる。
付属アプリには「拡大・縮小」「コントラスト調整」などの
機能が付いているので、見やすくなるよう調整する。
付属アプリのウィンドウを最大化し、そのディスプレイを画面共有する。

(2) カメラからのコンテンツを共有する

Teams の画面共有において「カメラからのコンテンツ」
というメニューがある。
「ホワイトボード」「ドキュメント」「ビデオ」のどれかを選択する。
後から「設定」→「コンテンツの種類」で再選択が可能である。
デフォルトでホワイトボードの領域を検出しようとする。
「エッジを検出しない」のアイコンをクリックすると、
画面全体を送信する。

「ホワイトボード」は高度な画像処理が行われる。

(a) ホワイトボードの前に立った人間は半透明になり、
  ホワイトボードに書かれた文字は、文字の前に人物や物体が
  来ても隠れることはない
(b) ホワイトボードは白くなる

上記の効果は絶大である。圧倒的に (2) の方が優れている。
また (2) の方がホワイトボードの広い範囲を映すことができる。

(1) の方法のメリットは、書画カメラ付属アプリを最大化せずに用いると、
1 つの画面の中に、ホワイトボードの内容と
別のアプリのウィンドウ(ex. ブラウザ、パワポ)を同時に
複数表示できることである。

◆◆ パワポ講義 ◆◆


ノートパソコンの外部出力端子にビデオスプリッタを接続し、
セカンドディスプレイとプロジェクタの入力端子に分配する。

セカンドディスプレイにパワポのウィンドウを開き、
それを画面共有する。
メインディスプレイは遠隔の学生とのチャットなどに用いる。

ビデオスプリッタがない場合、パワポの画面はプロジェクタ
のみに投影される。教師が学生の方向を向くとき、
プロジェクタの画面は背後にあるので、授業が非常にやりづらい。
ビデオスプリッタは必要である。


◆◆ 2 個のディスプレイの解像度が異なる場合 ◆◆


以下のケースに遭遇した

・ノートパソコンのメイン画面は 1366 x 768
・外付けセカンドディスプレイは 1920 x 1080

書画カメラ専用アプリのウィンドウをセカンドディスプレイ
で表示し、最大化しても画面一杯にならない。

セカンドディスプレイの解像度を 1366 x 768 に落とすことで
解決した。その方法は以下の通り。

  画面で右クリック ---> ディスプレイ設定
  ---> ディスプレイの解像度


◆◆ スピーカーとマイク ◆◆


・スピーカー

ノートパソコンの内蔵スピーカーでは、音量不足である。
自宅で受講する学生の声を、教室の受講生が快適に聞くには、
外付けのスピーカーが必要である。

スピーカーフォン(スピーカー兼マイク)という製品がある。
技術棟講義室では「eMeet Luna Lite スピーカーフォン」
という製品を使っている。
内蔵マイクは、ノイズキャンセル付きで 360 度方向の
音を拾う機能を持つ。ノイズキャンセルの機能は非常に強力で、
空調機の音は完全に消える。

・マイク

上記のようなスピーカーフォン(8〜10人程度の会議の音を拾う)を
使う方法と、教師の胸ポケットに付けるワイヤレスマイクを
使う方法がある。それぞれ以下の長所短所がある。

スピーカーフォン内蔵マイク
 長所:教室内の学生の声も拾える
 短所:教師の声が教室の壁で反響するので、
    教師の声はワイヤレスマイクを使うのに比べると
    若干聞きづらい

ワイヤレスマイク
 長所:教師の声が明瞭に聞こえる
 短所:教室内の学生の声を拾うのは困難
    教師の顔の向きによって音量が変化する

教室の中に居ると室内の人間の話し声は明瞭に聞こえる。
しかし、マイクを通してだと、反響やノイズなどのため、
少し聞きづらくなる。
人間は、壁の反響をキャンセルして人の声だけを拾う処理を
脳内で行っているようだ。

いずれの場合も、ノイズを発生させないよう、気をつける必要が
ある。胸に付けるワイヤレスマイクの場合、服がこすれる音などが
入らないようにする。

教師の胸に取り付けるワイヤレスマイクとして
私は以下の製品を使っている。

  Alvoxcon UM310
  USB 接続 無線 (UHF) ワイヤレスマイク

上記の製品は 1 つ不便な点がある。
出力を 10 段階で調節でき、電源を切ってもその値は記憶される。
しかし、現在の値を確認できない。
通常は出力 max で用いるので、実用上は問題ない。


◆◆ 奈教の PC 教室 (演習室A, 演習室B, 301) における講義 ◆◆


教師は 2 画面あり、そのうちの 1 個が学生のディスプレイの横に
設置されているサイドディスプレイに表示される。

そのディスプレイを共有する。
もう一つのディスプレイを遠隔の学生とのチャットなどに用いる。

Teams は Web ブラウザ版しか使えない。ゆえに、
遠隔の学生の PC を「制御を取得」で操作することが
できない。

(謝辞)
情報館における設定作業では藤田さんに色々と
お世話になっています。ありがとうございます。


◆◆ 奈教の講義棟の教室におけるパワポ講義 ◆◆


教卓のディスプレイとプロジェクタの画面は
以下の 2 つの使い方がある。

(1) ディスプレイとプロジェクタは同一画面(複製モード)
(2) ディスプレイとプロジェクタは別の画面(拡張モード)

ディスプレイを遠隔の学生とのやりとりに使い、
プロジェクタでパワポの画面を写すと 2 画面使える。
しかし、教卓からプロジェクタの画面はかなり見づらい。

教室備え付けの PC はカメラ、マイクがない。

・Web カメラは持参する
・マイクは Web カメラ内蔵のものを使ってもよいが、
 私は UHF 接続のワイヤレスマイクを使用している。
・スピーカーは教室備え付けのものが使える。
 タスクバー右下のスピーカーのアイコンをクリックし、
 出力先を正しく設定する

Teams のウィンドウを最小化すると、
スライドショーの画面と Teams の最小化された画面が
共存する。


◆◆ ブラウザ版の Teams を使う場合の制約 ◆◆


奈教の情報館では、Teams は 2022.7 の時点でブラウザ版しか使えない
(スタンドアロン版は毎回インストールすれば使えるらしい(未確認))。
ブラウザ版は学生の画面を遠隔操作することができない。