初版 2000.11.16 最終改訂 2001.8.23
学会発表用の OHP を作成するツールとしてパワーポイントの シェアは 90% を超えていると思われます。今後、 プロジェクターが普及すると、ますます PowerPoint のシェアは 増えるでしょう。
一方、IEEE と電子情報通信学会などの学会は、論文を 電子ファイルで投稿するよう奨めています。 本文用のソフトとして許されるのは TeX だけであり ( 信学会は PageMaker も認めていますが利用者はほとんどいないでしょう ) 、 図として許されるフォーマットは、 Postscript ( eps ) と Tiff の 2 種類だけです。 Tiff は画像のフォーマットなので、事実上、図は PostScript 作成 するのが標準です。 一方、学会発表は PowerPoint を使うわけですから、 PS ファイルを PowerPoint へ貼り込むことが出来たら便利です。
Windows 版の ghostscript を使い、クリップボード経由で 図を PowerPoint に貼り込むと、bitmap になってしまうようです。 原理的に、ベクトルデータのままで PS ファイルを PowerPoint に 貼り込むのは可能なはずですが、ghostscript ではそれが出来ないように 見えます。
それを解決するツールとして pstoedit というソフトがあります。 pstoedit はポストスクリプト形式のファイルを、様々な形式 ( Windows Metafile, Tgif, Illustrator, idraw, その他多数 ) に変換するためのツール です。動作させるためには ghostscript が必要です。
Windows においては、ghostview ( gsview ) をインストールする とバージョン 3.6 以降では pstoedit が 同時にインストールされます。Windows 版の gsview は 愛知教育大学の堀田さん が非常に分かりやすい形で整理されています。 pstoedit 単独でインストール したい場合は、pstoedit_win.zip というファイル名でネットワークの どこかにあるでしょう。pstoedit を起動するには以下の 2 つの 方法があります。
1. 以下のように DOS プロンプトから打ち、PS ファイルを wmf または emf に
変換します。wmf は Windows 3.x で使われていたメタファイル形式、
emf は Windows95 以降で使われるメタファイル形式であり、
wmf はデバイスの解像度に依存するなどいくつかの制約がありますので、
emf の方が良いようです。ただし、私が見た限りでは、
wmf と emf の差はないように思われます。
pstoedit -f wmf xxx.ps xxx.wmfあるいは
pstoedit -f emf xxx.ps xxx.emf
2. PowerPoint の「挿入」→「図」→「ファイルから」で、 上で作ったファイルを挿入します。
私が pstoedit ver 3.17 で試してみたところ、 日本語のフォントは扱えないようです。 また、欧文フォントについても、
というように置き換わってしまいました。本来なら、 Helvetica ---> Arial, Times-Roman ---> Times New Roman, Courier ---> Courier New と置き換わってほしいところです。
意図しないフォントに置き換わった場合、 PS ファイルの中の文字列を表示する部分が
誰か、正しくフォントを指定する方法を知っている方は教えて下さい。